呆れ返る父親の横を 無言で通り過ぎ 「気を付けてね」と 呑気に手を振る母親と 軽く挨拶を交わした。 外に出ると ひんやりとした空気が 一気に私の体温を下げた。 九月中旬。 本州はまだ残暑で 暖かいのかなと 北海道の地から 思いを馳せた。 いつか東京進出したい。 小さな町で生まれ育った私の 密かな野望だったりする。