ダンデライオン~春、キミに恋をする~


……。


こうして机に突っ伏してると、前の席の響との距離が近い。
首に手を置いて、後ろ髪をすく響。

わわ……、長い指……。



キレイだなぁ、逆剥けもなんにもないキレイな左手。
でも、こうしてみるとゴツゴツと骨っぽくて男の子なんだなーって実感する。

こんな手に、あたしの髪も触られたい……。


……って、きゃあああ!
あたしってば何考えてんだっ!
ま、まだ授業中だぞ!

カアアって頬が火照って慌てて視線を落とす。

うう……。
なんだか、あまーい香りがする。
香水?なのかな……。

すごい、誘惑……。

ポーって感じでその姿を眺めていると、急に響がイスの背もたれに身を投げ出した。


「……!」


そのせいで、ちょっとだけ手を伸ばせば届く距離になったその真っ白なシャツ。
あちこちに跳ねてる柔らかそうな髪。
くっ……、えりあし、可愛い!


触りたい。
ちょっとくらいその髪に触っても、バチ当たんないでしょ?