「……もぉ……やだょ……」


あたしは、先生の後姿を見送ることが出来なくて。
両手で顔を覆った。


「……」

「……」


何も言わず、ただ傍にいてくれる母と妹。
お母さんのそのやわらかな腕に肩を抱かれ、妹の華奢な手に包まれて。

とめどなく溢れる涙を、もうどうする事もできなかった。




辛いよぉ

諦めたくないのに……

これから……



これから友達から始めようって思ったのに

離れたぶん、自分で手繰り寄せようって思ってたのに


それすら出来なくなる

遠くへ行っちゃう……





響が……

響が、いなくなる……。



もう……会えなくなるんだ……



きっと、永遠に……。