その泉先生の瞳が、まっすぐにあたしを捕えていた。
「間宮さん、結局あなたとはあまりお話できなかったね」
「え?」
キョトンと首を傾げると、先生はクスクス笑ってその椿色に色づいた唇をキュッと持ち上げた。
ドキンって胸が高鳴る。
あたしの意志とは関係なく、魅力的な人に見つめられてソワソワ落ち着かない気分になる。
何度も瞬きをしていると、先生は少しだけためらいの表情を見せて口を開いた。
「私ね?この春 結婚するの」
……え?
ハッとして顔を上げる。
けっ……結婚?
イツキ先生と?
うそ……なら、それなら、響は……。



