先生、着物着てるんだ……。
なんかもう、敵わないな……。
ゆっくりと体を起こした響は、泉先生をまっすぐ見るとのんびりと言った。
「おめでとうございます」
「……お、おめでとうございます」
ニコッと笑った響に続いて、慌てて頭を下げた。
それから口角を上げてみる。
あたし、笑えてんのかな……。
先生誰と来たんだろう。
……え?もしかしてイツキ先生?
だけど、響が言うにはふたりはもう終わってるって……。
じゃあ、誰と?
キョロっと見渡してみても、先生を待ってるらしき人は見当たらなかった。
まさかひとり?
なんて、そんなわけないか……。



