そんなあたしの願いも虚しく。
なぜか空気を読んでくれない母は、さらに踏み込んでくる。
「でも、お母さんの勘当たってた」
「え?」
「響君に会ったとき、どこかで見た事ある子だなぁと思ってたのよ。それがこの前思い出してね?あーそうだ、響君とイツキ先生が似てるんだって」
あー、うん。
それはあたしも思ったよ?
でもね、お母さん。
今響の事思い出したら、余計寂しくなっちゃうよ……。
だから、やめて……。
お母さんのその話から逃げるように、パっと背を向けた。
「そしたら、この前再会できたでしょ?ほんとよかったわよねぇ」
ん?
再会?
足が止まる。
「お、お母さん、響とイツキ先生が会ってなかったの、知ってるの?」
「え?ああ、知ってるって言うか、イツキ先生言ってたから」
イツキ先生が?