ダンデライオン~春、キミに恋をする~



ピンポーーーン



「はあ……つ、疲れたぁ」


このインターフォンを押すのに、ずいぶん時間かかっちゃった。


24日。
クリスマスイブ当日。

あたしは両手いっぱいの荷物を抱えて、自動ドアが開くのを待っていた。


アスファルトむき出しのデザイナーズマンション。

そう。響の家。
ここに来るのは今日で2回目だ。


前回は、七夕祭りの時だったから……。
あれからもう半年もたってる。


あの時は雨宿りで来たんだっけ。




うう。

緊張するよぉ……。



ここにきて、10分は押す押さないを繰り返してた気がする。

たったそれだけで、ものすごく体力消耗しちゃった……。



それからほどなくして自動ドアがあいて、あたしは響の部屋に向かう。




ドキン

ドキン



「どーぞ」

「……。おじゃまします」



ドキン

ドキン



部屋の前で待っててくれた響に促され、あたしはオズオズと靴を脱いだ。



ああもうっ

落ち着け、心臓っっ!