ダンデライオン~春、キミに恋をする~


「……」


だ、だだ、誰!?
ビックリしすぎて、声も出ないあたし。

そんなあたしを見て、さらに楽しそうに口元を緩めた男の子。

ニヤリとした彼から、思わず顔を背けた。
手元を見つめて、シーツをギュッと握りしめる。

……サイアク。


ちょっとだけ開いたカーテンの向こう側。
隣のベッドには、いつの間にか人がいたんだ……。


「…………」


カアアアア
は、恥ずかしすぎる……。



やっと収まっていた頬の火照りが、再びあたしを襲う。



「ね、どこまでいってんの?」

「……へ?」



質問の意図がわからずにキョトンと首を傾げたあたしは、声のしたほうへ視線を向けた。

彼は腕を枕代わりに、ベッドに転がったままあたしの答えを待っている。


どこまで、いく?

なにが?

てゆか、なんでそんなにあたしに馴れ馴れしいの?



ベッドの下に置かれてる靴を見れば、赤のラインが入ってる。

なによ、年下じゃん。



「あのぉ~、誰?」



思わずジトーって睨んじゃう。
だって、あたしの楽しい妄想を邪魔したんだから!