ダンデライオン~春、キミに恋をする~


「……間宮ぁ。 何が“違う”んだあ?」

「ひっ」 


見上げた先には、うちのお母さんよりも恐ろしい阿修羅。

……そうでなくてショウちゃんっ!?



「さっきから百面相してるかと思えば。お前、俺の授業がそんなに納得出来んのか」

「……いえ、とんでもございません……」



ひえええっ!

てゆか、ショウちゃん! その眉間のシワ恐いしッ!
大体、目が……目が三角だよぉおお。


「……ったく。ボサッとすんな」


ショウちゃんはそう言って教科書で軽くあたしの頭をポンッと叩くと「そんじゃ、次のページなぁ」と言いながら教卓へ戻っていった。


クスクスと小さな笑い怒る。


うー……最悪。
笑えないってば。

チラリと見上げると、ちょうど響もあたしに視線を移した。


へ?

首を傾げると、響はそんなあたしを見て口角をキュッと持ち上げた。

パクパクと何かを言う響。

え……な、なに?


「……ひゃく……めん、そ?…………」



響はにやりと笑うと涼しい顔をして、さっさと前を向いてしまった。


あわあわと全身から湯気が出そうなほど熱くなる。


これは。
気温の暑さだけじゃ……ない。