香奈は自分にその話が来たと思ったらしく、
はしゃぎ始めた。

「えっ!芸能界ですか!!あたし超「あ~、あなたではなく…。」

香奈が言い終わる前に女性が突っ込んできた。


女性の視線は香奈ではなく、私に向けられていたのだった。


女性は私をみてニコッと笑った。

「えっ!!私ですかっっ?!ど、どうしよ…。」
「雅奈、みんな見てるよ。」

香奈に言われて気付いた。


そういえばどの客もこちらを見ている。


私は渋々女性から名刺を受け取り、
「親と相談してから連絡します。」と言った。


まるで夢のような5分間だった。


「雅奈~、こんなチャンスめったにないよ?どうするの?」

「ん~、まだ考えてない。」

「で、雅奈はどうしたいの?!」

私は答えることができなかった…。