それから10分程して紫苑がやって来た。
ココから紫苑の実家まではそう遠くなかった。
「胡桃、着いたよ。」
と言って紫苑と一緒に玄関まで来た。
「ただいま。母さん。」
紫苑の声でお母様がやって来た。
「あの、初めまして。
桐谷胡桃です。
これ良かったら食べてください。」
「あら、お気遣いなく。
紫苑から聞いてるわよ。
さぁ入って入って。」
リビングに通されていろんな話しをした。
想像してたような事にはならなかった。
紫苑があらかじめあたしの事を話していてくれてて、お母様が何度も、
こんな息子でいいの?
って聞いてこられたので
はい。って意気込んじゃった。
「紫苑と胡桃ちゃん。
晩御飯食べていくでしょ?」
「え、でも…」
とあたしが言ったら、
「うん、食べる」
って紫苑…
いいの?
初めてお邪魔させてもらったのに晩御飯までごちそうになった。
しかも手伝おうとしたら、
「胡桃はお客さんなんだからいいんだよ」
って紫苑に引っ張られた。

