さて、こちらもう中学2年生の春を迎えています。
まずは、少し過去から書いていこうと思います。
私が私を忘れないうちに、
時は1年前の入学式―…。
卒業式で、たいして皆離れる訳でもないのに
柄にもなく大泣きしてから1ヵ月。
今日は待ちに待った入学式!
いかにも中学生!って感じのセーラー服に
違和感ありまくりの私です。
相田 翆。
翆って書いて"すい"って読む。
今日から歩きだした新中学生!
普段あんまり慣れないアイロンなんかを髪に通してみたりして
好奇心旺盛の朝を迎えています。
「ちょっ!もう入学式始まるんですけど!てか、もう亜美ちゃんら来てやあるよ!」
「分かったって。まだ大丈夫やん。」
そう言って未だ化粧を続行する母を横目に
私は後ろでギャーギャー喚く。
準備は完璧なのに、何故かうろうろ走り回る私を、
母は呆れたように鏡越しから見つめていた。
「もう出るから、車エンジンつけてきて!」
「はいはい、」
車のキーを受け取って、エンジンを付けて戻って来た頃には
母はもう支度が出来たようだった。
「ほら、鞄!」
強引に軽い鞄を押し付けられ、
"ぐはっ"なんて大袈裟に言ってみる。
母はそれを華麗にスルーして、
ヒールを履くとさっさと車に乗り込んだ。
慌てて、私も母と同様、助手席に乗り込む。