「…もしかしてまだ龍也くんに言ってないの??」
あたしは黙ってうなずいた。
「なんで…??龍也くんならきっとすごい喜んでくれるよ??」
「今ね、すごいお仕事がんばってるの…あたしたちがなかなか会えないくらいに…」
麻衣子には龍也がモデルだっていうことは
言ってある。
「ただでさえ忙しかったのにあたしが不安になるといえないから、って結婚式まであげてくれたんだよ…??」
「うん、優しいね…」
「それなのに今赤ちゃんできたなんて言ったらどうなる…??そんなことしちゃったら…」
「それは…龍也くんならちょっと仕事おさえるかもね…」
「でしょっ!?あたし、そんなことしてほしくないの…。あたしのために仕事を犠牲にしないでほしい…」
せっかく今波にのってるんだよ??
それをあたしなんかが邪魔できないよ…


