「わたしはどうなったのかしら」



人魚姫はつぶやきました。



声を取り戻したのです。



「あなたは風の娘になったのよ。さあ、わたしたちと一緒にいきましょう」



透き通った美しい声が人魚姫の周りでこだましました。



人魚姫の周りの美しいものは風の娘だったのです。



風の娘は風や光と一緒に世界中を飛んでいきます。



人魚の寿命よりも遥かに長い間飛び続け、いいことをたくさんしなければなりません。



「いいことをたくさんした後で、わたしたちは魂を授かるのよ」



風の娘は言いました。



船の上ではみんなが人魚姫を探していました。



誰一人、風の娘になった人魚姫を見ることはできません。



人魚姫は大好きな王子様に微笑みかけてキスをし、王女にもキスをしました。



そしてふわりと青空に舞い上がり、仲間たちとともに空の向こうへ飛んでいきました。



魂を授かったその時には、またみんなに出会えることを願いながら。




-END-