「また、見たよね…?」


冷や汗が全身から噴出してくる。


「見ないでどうやって
ここに連れてこれる?」


聖斗は面白そうに
笑って答えてるけど
私にとったら大問題だよ…


「変なこと…しなかったよね?」

「変なことってなんだよ」

「だからー、その…エッチなこととか…」


自分で言って
自分で照れてる…


まだ、のぼせてるみたいに
体中が熱い…


毛布の下のタオルケットの中は
もちろん何も身に着けてない。


意識の無い無防備な姿を
聖斗に見られたんだ…


火照って赤くなっているであろう頬を
両手で覆い隠した。


「心配するな。
なーんもしてねぇから…
意識の無い美羅を襲うほど
俺は飢えてねぇよ」


あ…


「そうだよね…
聖斗は私なんか興味無いんだよね。
変なことするワケないよね…」


私ったら、何、自惚れてんだろう…
バカみたい


「迷惑かけて、ごめん。
もう部屋行くね」


そう言って体を起こした時だった。
後ろから肩にまわされた二本の腕


「……!!」

「美羅…」

「どうした…の?聖斗」


抱きしめてくる聖斗の腕の力が
余りにも強くて
身動きがとれない…


聖斗の頬が私の頬に隙間無く押し当てられ
無精ひげがチクチクして痛い。


「聖斗?」

「興味無いワケないだろ…」

「えっ?何?」

「…美羅の裸見て
理性がブッ飛びそうだった…
これでも
必死で我慢したんだぞ…」


耳元で響く
聖斗の低い声


「うそ…冗談は止めてよ…」


そんなの信じられない。
信じられるはずがない。


「冗談なんかじゃねぇよ。
俺は…
俺は美羅のこと…ずっと…」