「俺、間違ってるか?」
私は上杉君の手を握り締め
プルプルと首を振った。
「間違って…ない」
「アイツが入院したのも知ってたけど
見舞いも行かなかった。
退院して、会いに来た時も
俺は同情で優しいことなんて言えなかった。
登校拒否は知らねぇけど…
自殺未遂はデタラメだ。
アイツはそんなことしてねぇよ」
「ごめん…」
上杉君のこと
信じてあげられなくて
ごめん…
「約束しただろ?
ずっと、美羅の側に居るって…」
「うん…」
「俺は美羅が…好きだ…
美羅はどうなんだ?
あの、聖斗ってヤツのこと
忘れられるのか?」
「えっ…」
「ずっと好きだったんだもんな…
そう簡単には忘れられねぇよな…」
表情の無い顔で
低く呟く彼に
胸が締め付けられる。
「美羅…
ホントは、お前
初めては…アイツと…」
「違う!!」
こんなに私のことを想ってくれてる上杉君が
愛おしくて
私は堪らず彼の唇に
自分の唇を、押し当てていた。
「私も上杉君が、好き…
聖斗より
上杉君が…好きだよ」
今度は彼が
私の唇を奪う…
柔らかく弾力のある上杉君の唇から
差し入れられた舌に
夢中で自分の舌を絡める
再び私の体を探る彼の指に
昨夜以上に体は反応して
自分でも驚くほど
甘ったるい声を洩らしてしまう…
「んっ…あぁ…っつ」
掛け布団を剥ぎ取られ
彼の目の前に露になる
自分の裸体を
隠すすべはなく
朝日が差し込む明るい部屋で
全をさらけ出され
瞬く間に熱を帯びる体
「ヤ…ダ、見ない…で…」