「お義母さん…」

「悪いけど、あなたに"お義母さん"なんて呼ばれたくないわ。
確かに、聖斗と美羅ちゃんがしたことは
恥ずべきことたわ…

でもね、あなたは他人の子供だって知りながら
聖斗は元より
私や主人まで騙した。

どっちが酷いことをしたのか
言わなくても分かるわよね?

聖斗とは離婚して貰います。
二度と、この家の敷居はまたがせません!!
いいわね?」


伯母さんの迫力に
理絵さんは言葉を失い立ちつくす


すかさず伯父さんが
理絵さんの両親に
「離婚の手続きは後日改めて…」
と、告げると
両親は深々と頭を下げた。


父親に支えられながら
リビングを出て行く理絵さん。


私は眠った瑠菜ちゃんを、母親に託した。


お別れだね…瑠菜ちゃん…
きっと、私のことなど忘れてしまうんだろうな…

でもね、私は忘れないよ。
瑠菜ちゃんの幸せを
ずっと祈ってるからね…



そして…
静かになったリビングで
聖斗が森下さんに話し掛ける。


「お前、これからどうするんだ?」

「そうですね…
なんか、予想外の展開になっちゃったんで
一瞬、パニくったけど
僕の気持ちに変わりないですから…

瑠菜ちゃんと血の繋がりは無くても
僕の子供だと思って
彼女を支えていくつもりです」

「お前も変わり者だな…
あんな気の強い女のどこがいいんだよ?」


呆れた顔をする
聖斗と雅史さん。


「あ…?」


私は森下さんの言葉に
疑問を感じた。


「ねぇ、予想外って…?」


するとリビングに居る人全員が
顔を見合わせケラケラと笑いだす。


「な、何?」

「悪りぃ…実はな、俺が瑠菜の父親じゃないってこと
少し前から分かったんだよ。
美羅以外、ここに居る皆知ってたんだ」

「はぁ?」

「ごめんな、美羅ちゃん。
聖斗が美羅ちゃんには、絶対言うなって言うから…
ホント、ごめん」


顔の前で手を合わせる雅史さん


「どういうことよ?ちゃんと説明して!!!」