ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


「あの…雅史さん
今、ちょっとマズいんだよね…」


私が小声でそう言うと
なぜか雅史さんは「うんうん」と頷き
「理絵ちゃんの親が来てるんだろ?」
と、ニッコリ笑う。


「どうして知ってるの?」


驚いて雅史さんの顔を見上げると
彼は後ろを振り向き
「君も入って」
と、誰かに声を掛けてる。

「……?」


そして、雅史さんの後ろから現れたのは…


「森下…さん?」

「この前は、どうも…」


森下さんは、私に軽く会釈すると
雅史さんと共に
リビングに入って行く…


まったく訳が分からない
何がどうなってるの?


私も慌ててリビングに戻ると
既に雅史さんと森下さんも加わり
話し合いが始まっていた。


ソファーに座る面々を横目に
私は少し離れたキッチンの椅子に座り
固唾を飲んで
その話しに聞き入ってると


お茶を出し終わった伯母さんが
私の横に座り
顔の前で手を合わせ
「いよいよね…」
と、ポツリと言った。


「いよいよって…
伯母さん、どういうこと?」

「美羅ちゃん…
私、知ってるのよ…
優斗とあなたが離婚したってこと…」

「えっ?」

「昨夜、伯父さんが教えてくれたの…
優斗のことだけじゃない。
聖斗と美羅ちゃんとのことも…」


そんな…
退院したばかりの伯母さんに
なんてことを…


「あなたたちが兄妹と誤解して
苦しんできたってことも聞いた。
私、何も知らなくて…

聖斗にも、美羅ちゃんにも
本当に申し訳ないことをしたわ
ごめんなさいね…」

「そんなこと…
伯母さんが謝ることじゃないよ」


すると伯母さんは首を振り
「いいえ、聖斗がどんなに辛かったかと思うと
親として情けなくて…
だから
伯父さんと話し合って決めたの」

「決めたって…何を?」


俯いていた伯母さんが
顔を上げ
私を真っ直ぐ見つめ答えた。


「聖斗の幸せの為に
私たちが出来ることは
なんでもしてあげようって…」