ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


それから数日後…


私は、優斗と新婚生活を送ったマンションを出て
実家に戻った。


意外にも、私に実家に帰って来るように言ったのは
伯父さんだった。


私と聖斗の関係を知ってるのに…


私は離婚が成立した。
だけど聖斗は
結婚生活は破たんしてても
まだ、理絵さんの夫


一つ屋根の下で暮らすことが
何を意味するのか…
伯父さんだって分かっているはず。


私たちは、おじさんの真意が分からず、戸惑っていた。


伯母さんが入院中だから
家事とかに困ってるのかな…
そんな風にも考えてみる。


3人で夕食を済ませ
伯父さんと聖斗がビールを飲みながら
仕事の話しをしてた時だった。


突然、伯父さんが
ママの話しをしだしたんだ…


伯父さんは
ママのことが本当に好きだったと
ハッキリ私に言った。


自分が不甲斐ないばかりに
ママも伯母さんも悲しませてしまった。
自分に、もう少し勇気があったら
ママを手放すことは無かったと…


だから私と聖斗には、後悔しないで欲しいと言った。
伯父さんとママが果たせなかった想いが時を越え
伯父さんの息子である聖斗と
ママの娘である私に
引き継がれているのかもしれないと…


目に涙を溜め
切々と訴える伯父さんを見てると
胸が熱くなった。


でも、最後に伯父さんは
今は幸せだと言ったんだ…


30年近く共に苦労して
伯母さんと築き上げてきた家庭は
宝物だと…


それも愛なんだ…


人それぞれ、色んな愛がある。


私たちみたいに
別々の相手と結婚しても忘れられない愛もあれば

結婚した相手を、長い年月を掛け
ゆっくり、じっくり愛していく愛


ママもきっと、パパと結婚したこと
後悔してなかったはず
だって、私の知ってるママは
いつも笑ってた…


「聖斗…お前は、お前の想いを大切にしろ」


伯父さんの言葉を聞いた聖斗が
ビールの入ってるグラスを
静かにテーブルに置いた。


「親父…
ホントにそう思うなら
俺の頼みを聞いてくれ…」