「瑠菜の父親が誰か…理絵に直接聞くよ」
「えっ?」
「このままだと
またお袋に余計なこと言うかもしれねぇしな…
アイツの弱みも握ってるってこと
分からせといた方がいい…」
聖斗…
「なんだか、悲しいね…
相手の触れられたくない部分を
駆け引きの道具にしてる」
「仕方ないことだ。
そうしねぇと、俺たちは一緒にはなれない」
キッパリと、そう言った聖斗が立ち上がる。
「聖斗?」
「今から理絵と話してくるよ。
お袋のこと、頼む…」
「あ、ちょっと…聖斗…」
私の手を振り切り
聖斗は談話室を出て行ってしまった。
聖斗と共に生きる為には、避けて通れないことなのかもしれない…
でも、こんな嫌な思いを
後、何回しなくちゃいけないのかな…
伯母さんの付き添いをしながら
私は時々、談話室へ行き
聖斗の携帯を鳴らす。
でも、ずっと電源は切られたまま
まだ理絵さんと話してるのかな…
やっと携帯が通じたのは
夜中の3時を過ぎた頃だった。
「聖斗…どうだったの?」
『どうもこうも無い。
瑠菜は俺の子だって言うだけで
検査の必要はない!って、キレまくってたよ』
「じゃあ、検査はしないんだね?」
『いや、あの焦り様は普通じゃねぇな…
怪しいモンだよ。
ここまで来たら引き下がれないだろ?』
「…聖斗は、怖くないの?
瑠菜ちゃんが聖斗の子供じゃないって結果たったら…
どうするの?
受け入れられる?」
さすがに、聖斗も言葉に詰まる。
『…もし、そんな結果が出たら
諦めるしかねぇよな…
どんなに可愛くても
俺の子じゃねぇってことになったら
引き取ること出来ねぇだろ?
なんか…寂しいよな…』
その声は、ホントに辛そうに聞こえた。
『まぁ、でも…
そうなったら、美羅にそっこーで
俺の子、産んでもらうさ』
「あ…」
聖斗が何気なく言った言葉が
私の胸に突き刺さる…
私は、聖斗の望みを叶えてあげられるんだろうか…


