その後の女医さんとの会話は
余り覚えてない。
可能性が全く無い訳じゃない。
でも、あの辛い痛みに耐えて治療したとしても
確実に妊娠出来る体になるという保障はない…
聖斗…
私は、どうすればいいの?
病院帰りに薬局に寄るつもりだったけど
行けなかった…
今、聖斗の顔見たら…
私、泣いちゃうよ…
この先、聖斗と理絵さんの離婚が成立して
聖斗と結婚出来たとしても
私は聖斗の赤ちゃんを産んであけられないかもしれない…
もしも、瑠菜ちゃんが聖斗の子供じゃ無かったら
聖斗は一生、自分の子供を抱けないかもしれないんだ…
あんなに子供が好きな聖斗なのに
パパにしてあげられない…
私のせいで…
心が痛い…
マンションに帰っても
何もする気になれず
リビングの絨毯の上に座り
ぼんやりと宙を見つめていた時
携帯が鳴った。
「聖斗…」
迷いながらも携帯に出ると
少し沈んだ聖斗の声が聞こえてくる。
『美羅、大事な話しがある…』
「…うん」
聖斗が言いたいことは分かってた。
『電話で話すことじゃねぇんだけど…』
「…瑠菜ちゃんのことでしょ?」
『えっ?』
少しの沈黙の後
聖斗は、『なんで、瑠菜のことだと思った?』
と、消え入りそうな声で聞いてきた。
私は、智可の家に遊びに行って
雅史さんに全て聞いたと言うと
聖斗は機嫌悪そうに
舌打ちをする。
『雅史のヤツ、さっき電話で話した時
そんなこと、一言も言ってなかったぞ!
あの、お喋りヤローめ!
まぁ、でも説明する手間がはぶけたな…
…理絵のことも全部知ってんだな?』
「うん、聞いた…」
『そうか…
それでな…瑠菜のことなんだけど…
雅史の言う様にDNA検査
しようと思うんだ…』
えっ…
『もし、瑠菜が俺の子じゃなかったら
引き取るって話しも変わってくる…
他の男との間に出来た子を
俺と美羅で育てるって訳にはいかねぇしな…』
あ…
私は、咄嗟に叫んでいた…
「ダメ!
検査なんてしないで!
瑠菜ちゃんは、聖斗の子供だよ!」


