ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


次の日…


「大原さん、大原美羅さーん
診察室へお入り下さい」


初めての産婦人科
周りの女性は
お腹の大きな妊婦さんばかり
私の緊張はマックスだ。


中年の女医さんの前に座り
問診を受ける。


サラサラとカルテにペンを走らせながら
笑顔を絶やさない女医さんに
私の緊張は徐々に和らいでいく


「じゃあ、検査しましょう」


穏やかな口調で、女医さんがそう言うと
私は別室に案内される。


採血から始まり
色々な検査を受け
最後に卵管の検査を受けた時だった。


今まで経験したことの無い激痛に襲われ
息をすることもことも出来ない…


「いっ…痛…いっ…」


それは、言葉で言い表せないほどの苦しみ


なんとか痛みに堪え
再び女医さんの前に座った私を待っていたのは
絶望的な言葉だった…


「生理不順は特に心配いらないと思いますが…
問題は、両方の卵管ですね…」

「卵管…?」

「さっきの検査、痛かったでしょ?
なんの問題も無ければ痛みは感じないのよ。

あれは、卵巣で作られた卵子が子宮にたどり着けるかを確認する
検査だったの

あなたの場合、卵巣と子宮を繋ぐ卵管が詰まってて…
だから、卵子が子宮にたどり着けない状態なんです」


それって…


「…不妊ってこと…ですか?」


恐る恐る尋ねる私に
女医さんは
「残念ながら、そうですね…
この状態での自然妊娠は難しいですね」
と、眉を下げる。


「うそ…」


頭の中が真っ白…


「大丈夫、治療法はあります。
でもそれは、さっきと同じ痛みを伴います。
精神的にも、肉体的にも
かなりキツい治療になりますが
耐えられますか?」


私を気遣ってくれてるのか
とても優しい声


「…あの痛みに耐えないと
私は母親にはなれないってことなんですよね?」


ショックだった…
悲しくて、悔しくて、切なくて…
涙が頬を伝ってた。