ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


この、ゾクリとする感覚は
クーラーが効きすぎてるせいなんかじゃない。


瑠菜ちゃんが、聖斗の子供じゃない?

そんなバカな話し
信じられる訳がない。


「雅史さん…
まさか、このこと…
聖斗に話してないよね?」

「聖斗には、今言ったこと話したよ」

「どうして?
まだハッキリ決まった訳じゃないのに…
聖斗が…聖斗が、可哀想」


興奮して震えが止まらない…


「落ち着けよ。美羅ちゃん…
いいか?
理絵ちゃんに男が居るんじゃないかって言い出したのは
聖斗なんだぞ」

「えっ…聖斗が?」

「あぁ…」


雅史さんの話しによると
聖斗がそう思ったキッカケは
あの、私たちの不倫の証拠写真を
理絵さんに突き付けられた時だったそうだ…


あの写真を撮ったのが、誰かと考えた時
人一倍プライドの高い理絵さんが
女友達に頼むはずがない。


万が一、女友達に頼んだとしても
理絵さんの性格からして
その人に瑠菜ちゃんを預け
理絵さん本人がホテルに来るはずだと
聖斗は言ったそうだ。


…確かに、そうかもしれない…


それじゃあ、わざわざ
ここから車で1時間もかかるホテルへ行ってくれて
いつ出て来るかも分からない私たちを
辛抱強く待ち続けた人は…


「その人物に、何らかのメリットが無けりゃあ
そこまで出来ないだろ?」

「メリット…」


すると、智可が
何かを思いついた様に手を叩くと
興奮気味に、早口で話し出す。


「そうか…つまり、アレでしょ!
自分の好きな女の旦那さんが不倫してれば
もしかして離婚して自分と結婚してくれるかも…
そう思った…」

「ピンポーン!!
さすが、我が妹」

「もう!茶化さないでよ。
で、その人が誰か分かったの?」

「…あ…、それは、まだ…」

「なーんだ…
中途半端なんだから…」

「これから調べるよ」


私は、智可と雅史さんの会話に入っていけなかった…


理絵さんに男…
そして
その人が瑠菜ちゃんの父親かもしれないなんて…


聖斗が今頃
何を考えているのか…
それを思うと、胸が張り裂けそうだった。