結局、その日の夜になっても
優斗は帰らなかった…
仕事帰りに、こっそり聖斗が寄ってくれて
取りあえず伯父さんには
優斗が風邪を引いて休んだことにしておいたと言われた。
「あんまり騒ぎ立てない方がいい。
兄貴のことだ
なんか事情が有るのかもな」
「…そうだね」
真面目で正義感の強い優斗が
連絡もなしで家に帰らないなんて
きっと、よっぽどのこと
「でも、なんか事件に巻き込まれたとか
事故にあっとか…無いかな?」
「…無いとは言えねぇけど…
とにかく、明日まで待って帰らなかったら
俺がお袋たちに話す。
その時、警察に頼むか決めるから
それより美羅
お前、1人で大丈夫か?」
「私は大丈夫…」
そう言ったものの
ホントは、不安で一杯だった。
「明日は土曜で俺は仕事休みだから
なんかあったら、すぐ俺を呼べ。
いいな!」
「うん」
私の頭を軽く撫で
心配そうな顔をした聖斗が帰って行く。
静まり返った部屋で
ひたすら優斗を待った。
でも…
日付が変わり
外が明るくなっても
優斗が帰って来ることは無かったんだ…
聖斗に優斗が帰らなかったとメールして
1時間後
伯母さんが血相を変えて
マンションにやって来た。
「美羅ちゃん。
聖斗に話しは聞いたわ
優斗が帰って来ないって…
何があったの?」
「私にも分からない
なんの連絡も無くて…」
伯母さんの顔を見たら
張りつめていた気持ちが一気に緩み
涙が溢れ出す。
「優斗に、なんかあったら…
どうしよう…」
伯母さんに抱きつき
声を上げて泣く
そんな私の背中に、大きな手が触れた…
「聖斗…」
「美羅…警察へ行こう…」


