ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


まだ体に残る聖斗の体温


聖斗は私の気持ちを確かめると
仕事に戻って行った。


キスさえも交わさず
ただ、抱きしめ合い
変わらぬ想いを告げたのみ


でもそれは
聖斗の優しさだったのかもしれない。


私に後悔させない為?


『愛してる』と言いながら
私は脅えていた。
そんな危うい状態の私を抱くことは
聖斗には出来なかったんだろう…


私が後悔せず
覚悟を決め、決断を下すまで
聖斗は待つつもりなのかも知れない。


ありがとうね。聖斗


もう少しだけ時間を頂だい。



・・・



時間は、午後3時


優斗からの連絡は、まだ無い。


瑠菜ちゃんが眠ったので
私は優斗の書斎を覗いてみた。


大事な書類なんかが有るから
この部屋は掃除しなくていいと言われてた。


だから、書斎には
ほとんど入ったことが無かったんだ…


雑然と並ぶ書類や、難しそうな分厚い本
私が見ても
さっぱり分からない資料の数々


ふと見たパソコンの前に
意外な雑誌を見つけた。


株式投資…


優斗、株とかやってたのかな?


よくよく考えてみると
私は優斗のこと
何も知らない…


大学に進学して、家を出た優斗が
どんな学生時代を過ごしてきたのか
製薬会社に入社して
どんな仕事をしてたのか
何も知らない…


ただ、目の前の優しい笑顔に癒され
包まれる様な温かさに甘えてきた。


今が全てで
過去など気にもしてなかった。


優斗…どこに行っちゃったの?