優斗を待って
リビングのソファーで寝てしまった…
ダイニングテーブルには
冷めてしまった料理と
出番の無かったバースデーケーキ
穏やかな朝日が差し込むカーテンの隙間から
外を眺めると
朝露に濡れたベランダの手すりが
キラキラと光り
どんよりとした私の目には眩しすぎる。
優斗…こんなこと、いままで一度も無かったのに…
何度も優斗の携帯を鳴らしたが
電源が入ってなくて繋がらない。
まさか…事故とか?
でも、そうなら連絡があるはずだし…
オロオロと部屋の中を歩き回り
色々考えを巡らす。
伯母さんに聞いてみようかと
携帯を手に持つが
1日帰らなかっただけで
大騒ぎして心配掛けるのも気が引けて
ボタンを押す指を止める。
昨日、薬局で何かあったのかも…
聖斗に聞いてみる?
でも、それも躊躇してしまう
すると…
ピンポ~ン…
あぁ、良かった。
帰って来た…
玄関にダッシュして
急いで鍵を開け
「優斗、お帰りなさい!」
と、一番上等な笑顔を作ったけど…
そこには優斗ではなく
聖斗が立っていた…
「聖斗…」
「兄貴…居ないのか?」
「あ…その…」
言葉を濁す私に聖斗は
昨日、優斗が仕事を無断で休んだから
様子を見に来たんだと言う。
「うそ…ちゃんと仕事行くって出てったのに…」
「風邪でも引いて、休んだんだと思ってたよ。
今日は出れるか聞きに来たのに…
帰って来てないのか?」
「…うん」
不安がる私を気遣ってくれてるのか
「兄貴も結婚早々やるなぁ~」と、明るく笑う聖斗。
「どうしよう…聖斗…」
「心配することねぇよ!
どうせ、友達とでも飲んで寝ちまったんじゃねーの?
もう少し待ってみろよ。
薬局の方に来たら
連絡してやっから。なっ?」
聖斗はお気楽な調子で
そう言うと
ニッコリ笑った。
そうなら、いいんだけど…


