「聖斗…」
「ここに居ろ」
「でも…瑠菜ちゃんが…」
「瑠菜はミルク飲みながら寝ちまったよ」
腕を引っ張られ
覆いかぶさる様に
座ってる聖斗の上に倒れ込んだ私の体を
彼は軽々と受け止めた。
「美羅…」
「ダメ…ダメだよ…聖斗」
「もう俺より、兄貴の方が好きか?」
そんな質問しないで…
答えられないよ…
「答えろ!美羅!」
聖斗が好きだと…
今でも、聖斗が好きだと答えたら
私たちはどうなるの?
間違いなく
地獄に堕ちる…
「お前の結婚式の誓いの言葉…
あの時、美羅は俺を見てたよな」
「あ…」
「美羅は何を誓った?」
「それは…」
気付いてたの?聖斗…
気付いてくれてたの?
耳を掠める聖斗の吐息が
秘めた想いを吐き出せと
私を責め立てる。
身動きさえ許されず
抱きしめられた体は熱く火照り
間違い無く聖斗を求めてる。
言ってしまいたい…
愛してるのは聖斗だけだと
言ってしまいたい…
偽りのない
その言葉が喉まで出かかった時
私を抱く聖斗の腕が力を失った。
えっ…?
「すまない…」
「聖斗?」
「悪かった…変なこと言って…」
なぜ?どうして?
それは、禁句
言ってはイケナイ言葉…
聞いてはイケナイ言葉…
その言葉を口にしてしまったら
私たちはもう…
後戻り出来なくなる。
きっと、私も聖斗も
そのことに
恐怖を感じてたんだと思う…


