ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


「ワザと?そんな…」


私は黒木さんをバカにした聖斗に
腹を立て
黒木さんをかばった。


「それで聖斗は決断したんだよ。
美羅ちゃんが好きな人と幸せになってくれるなら
自分は、身を引こうと…

そして、次の日
理絵ちゃんと入籍した。
これが、全てだ」


どうしてなの…聖斗…

どうして、何も言ってくれなかったの…

少しでも話してくれてたら
こんな状態には、ならなかったかもしれないのに…


「美羅ちゃん、今は辛いかもしれないけど
やっぱり俺は
これで良かったと思う。

キツい言い方かもしれないけど
所詮、君たちは兄妹。

愛し合うことは許されないんだよ。
勿論、結婚も無理
子供も持てない。

それなら、別々に生きた方がいい」


これは、私の罪だ…

聖斗を信じることが出来ず
独りよがりな思いで
自ら大切なモノを手放した…


でも…違う…


「…雅史さん」

「んっ?」

「違うの…」


私と聖斗は
愛することを、禁じられてはいない…

だって、私たちは…


「…兄妹じゃない…」

「えっ?何?」

「私と聖斗は、兄妹じゃないの…」


暫くの間
シーツに落ちる雫の音だけが聞こえる
静まり返った部屋


私は京子さんから聞かされた真実を
智可と雅史さんに
全て話した。


そして
そのことを、聖斗はまだ知らないということも…


それぞれ、感じることは違っていただろう
でも、3人の頭を過った思いは
同じだったのかもしれない。




___ もっと早く知っていれば…___