興奮気味に布団から起き上がった智可は
また泣きだしそうな顔をして
私を見下ろす。
「聖斗君はね、美羅が居なくなってから
必死で探してたんだよ」
智可の真剣さに
私も連れる様に起き上がると
固く握られた彼女の手に、そっと触れた。
「智可…」
「あっ…大きい声出して、ごめん。
でもね、聖斗君は
美羅の大学の同じ寮だった人達を
一人、一人訪ねて
美羅を探してた。
中には地元に帰った人も居て
休みの日には、何時間も掛けて
その人に会いに行ったり…
私、言ったんだよ。
わざわざ行かなくても
電話すればいいのにって
そしたら、聖斗君
もし美羅が居ても、電話じゃ居ないって言われるに決まってる。
自分の目で確かめないと納得出来ないって…」
知らなかった…
聖斗がそこまでして
私を探してくれてたなんて…
「それでも見つからなかったから
今度は私に、高校の卒業アルバム貸してくれって
形振り構わずって感じだった」
声を詰まらせる智可の姿を
私は呆然と見つめることしか出来なかった。
聖斗…
本当なの?
だったら、何故?
「そんなに私のこと想ってくれてたなら
どうして理絵さんと結婚なんて…」
「それは…美羅が…」
「私…が?何?」
「電話したでしょ…」
電話…?
「もしかして、あの電話?」
そう、黒木さんに言われて
家に電話した…
あの時のこと?
「その日、聖斗君は疲れのせいかな
熱出して仕事休んでたんだって。
突然鳴った電話は、美羅から…
いきなり男の人と同棲してるって言われて
聖斗君、凄くショックだったみたい。
でも、その時はまだ半信半疑で
美羅が嘘ついてるかもって思ってたそうだよ。
そんな時
理絵さんの両親が怒鳴りこんできたんだよ。
娘を妊娠させて
結婚しないとはどういうことだって…
ちゃんと責任取れってね」
今まで弱々しかった智可の声が
急に低く太く響き
大きく見開いた瞳は
何かを確信してるみたいだった。
「あれは、理絵さんの作戦だったんだよ…」
「作戦?」


