ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


「聞いちゃダメかな?」

「聖斗は理絵さんと結婚して
今、子供が生まれた…
私と聖斗の過去をほじくり返したって
どうしようもないことでしょ」


少し強い口調で、そう言うと
雅史さんは
困った顔をして苦笑いを浮かべる。


「まだ好きなんだね。
聖斗のこと」

「な、…違います!」

「無理することないよ。
でも…聖斗と美羅ちゃんは、よく似てるな。
意地っ張りなとこなんて、そっくりだ」

「そっくりって…
私と聖斗がですか?」

「そう。
全然、素直じゃないとこもね」


確かに、当たってるかも…


返す言葉もなく
下を向く私に
雅史さんは思いもよらぬことを言ってきた。


「兄妹だからかな?」

「えっ?」


雅史さん…知ってたの?


「…誰に…それを?」

「ん?聖斗に聞いたよ。
まぁ、初めは俺のこと、からかってるんだと思ったけど
話し聞いたら信じるしかないかな…ってね。

アイツ、覚悟決めてたよ…

美羅ちゃんが好きだから
一生、誰とも結婚せずに
2人で生きてくって…

それ聞いた時は
こっちが焦った。

バカなことは止めろって言ったよ。
でもアイツは…」

「やめて!もう…いい」


聞きたくないよ…
今更、そんな話しなんて、聞きたくない。
全ては終わったこと…


それに私と聖斗は
兄妹じゃない…


「美羅ちゃん…」

「あ、ごめんなさい…
でも…もう、いいんです」


そう言って、立ち上がろうとした私の腕を
雅史さんが掴むと
「まだ話しは終わってないよ」
と、強引に引っ張る。


「だから、その話しはもう…」


振り返った先の雅史さんの顔が
さっきとは全く違ってて
何か、必死さを感じた。


「智可に会ってやってくれ」

「…智可に?」

「智可はあれ以来
ずっと、元気がなくてね…
美羅ちゃんに嫌われたって
落ち込んでる。

元はと言えば
俺が口止めしたのが原因なんだし
責任感じてたんだよ。

頼む。
智可と会ってやってくれないか?」