ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


聖斗が高校生になった頃から
私たちは、余り話しをしなくなった。


時間は、姿かたちの他に
人の気持ちも変えていく


あの海で言ってくれた言葉は
もう、効力を失ってしまったのかもしれない…
幼かった私たちの
幼稚な約束


でも私はまだ
あの時の聖斗の言葉を
信じていたかった。


私は…聖斗が好き…


彼女が出来た気配がした時もあった。
深夜に小声で携帯で話してる姿を見たのも
一度や二度じゃない…


クリスマスや、バレンタインに
家に居ないことも多かった。


でも私は、何も言えなかったんだ…


"そんな昔のことなんて、忘れた…"
そう言われることが怖かったから…


聖斗の口から否定されなければ
信じていられる。


ずっと一緒に居てくれるってことを…


あの頃と反対だね。
今は私の方が
聖斗に見て欲しくて
たまらない…



「次は…英語か?」

「うん」


だから、聖斗に
勉強を教えてやるって言われた時は
凄く嬉しかった。


「文法、全然分かんない」

「自慢げに言うな。バカ!!」

「バカじゃないもん。
志望校に
絶対、受かってみせるから…」

「ほぉー…やけに強気だな」


そうだよ。
絶対受かるんだよ。
じゃないと、滑り止めで受けた
私立に行かなきゃいけなくなる…


そうしたら
この家を出て寮に入ることになっちゃう。


聖斗と離れたくない…
この家で、聖斗と一緒に暮らしたい…


「じゃあ、県立受かったら
美羅の欲しいモノ
プレゼントしてやるよ」

「私の…欲しいモノ?」


そんなの…
一つしかないよ…


聖斗…あなたの愛が欲しい…