ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】


そして私たちは
確実に年を重ね
大人へと近づいていく…


私は中学3年
聖斗は大学1年


優斗は都会の大学に進学したので
この家を出ていたが
聖斗は地元の大学を選び
今でも私たちは一緒に暮らしていた。


あの時の約束を守ってくれてるのかな…

"ずっと一緒に居る"という
あの約束を、聖斗が覚えてくれているかは
分からない…


あれからの私たちは
お互いを意識し合ってはいたが
特に何もなかった。


平凡な日常
兄妹の様な生活
別段、不満は無かったけど
心が満たされることは無かった気がする。




「なんだよ。こんな問題も分かんねぇのか?
これじゃあ志望校は無理だな…」

「そんなぁー…」


高校受験が迫り
夜は聖斗の部屋で勉強を教えてもらうのが
日課になってた。


「聖斗の教え方が悪いんだよ」

「お前なぁー
それが教えてもらう態度かよ」


聖斗が投げ捨てた問題集が
テーブルの上のジュースが入ったグラスをかすめた。


「あっ!!」


左右に揺れるグラスに
慌てて手を伸ばす。


聖斗も同じ行動を取ったから
私と聖斗の手は
グラスの上で重なった。


「手…離せよ…」

「せ、聖斗こそ…離してよ」


そう言いながら
どちらも手を引っ込めようとしない…


このまま、聖斗の手に触れていたい…


聖斗の指と重なった部分が
熱を持ち
心臓が高鳴る。


「いい加減、離せって…」

「うん」


聖斗は、素っ気無い。