「マジかよ…」
雅史さんは、そう言ったきり
暫く言葉を発しなかった。
「驚いたー…
美羅、いつの間に聖斗君と?」
「う…ん。
2日前、色々あって…」
「ふーん。
まぁ、良かったんじゃない?」
そう言ってもらえると
気分が楽になる。
なんと言っても、私と聖斗は兄妹
否定されて当然なんだから…
「でも、聖斗君…
イチャつき過ぎ…
聖斗君のキャラって
そんなんだった?」
「放っとけ!!
あ、雅史、話しがあったんじゃねぇのか?」
「んっ?
あぁ…お前たち見てたら
ブッ飛んだ…
大したことじゃねぇよ…」
歯切れの悪い雅史さんの言葉が気になったけど
バカ話しで大笑いしてたら
いつの間にか
すっかり忘れてしまってた。
2人が帰り
夕食を済ませ
京子さんの相手を終えて
聖斗の部屋へ行こうと階段を上りかけた時だった…
少し開いた聖斗の部屋から
微かに話し声が漏れてきて
私はいけないと思いながらも足を止め
耳を澄ましていた。
「雅史は会ったのか?
で、なんて言ってた?」
電話の相手は雅史さん?
「分かった…じゃあ…」
聖斗が携帯を置いたのを確認して
部屋に入る。
「聖斗?」
「あ、あぁ…美羅か…」
なんの話しだったんだろう…
私に手を差し伸べる聖斗は
普段と何も変わらず
優しく微笑んでいる。
私の考え過ぎなのかな…
どうしても、疑心暗鬼になってしまって
全てを悪い方へと考えてしまう。
暗い顔ばかりしてたら
聖斗に嫌われちゃうよね…
大好きな聖斗と
こうやって一緒に居れるんだもん。
それだけで十分じゃない…
私は笑顔で聖斗の手を取った。


