暫く2人は無言だった…


当然の反応だよね。
余りにも重い内容だもん


「嫌な気分にさせて、ごめんね…」


唇を噛み
頭を下げる私に
恵美里が大きく首を振る。


「美羅…何、謝ってんのよ。
美羅は悪くない!
聖斗君だって辛かったんだよ…」

「恵美里…」

「そう、突然兄弟なんて言われても
納得できるはずないよ。
美羅…1人で苦しんでたんだね…
可哀想に…」


智可の声は震え
泣いてくれていた。


「お兄さんと寝たんだよ…私。
気持ち悪くない?」

「ホント、美羅はバカだよ!
もっと私たちのこと頼ってよ…
水くさいんだから…」

「智可…」


ごめんね…
本当に、ごめんね…


2人の温かい態度に
感謝せずにはいられなかった。


それから私たちは
乏しい知識を出し合い
話し合った。


智可が言うには…


「その戸籍のことだけど
私の家はおじいちゃんの代から
ずっと、産婦人科の病院じゃない。

前におじいちゃんから聞いたんだけど
昔は3月の末に子供が産まれると
4月生まれにしてほしいって親が居て
誕生日を変えてたって言ってた。

戸籍を誤魔化すのって
出来るのかも…」

「そんなこと出来るんだ…」


すると恵美里も…


「私が知ってるのは
子供ができない夫婦が
代理出産をある女性に依頼して
自分たちの実の子供として届けを出したいから

奥さんが妊婦の振りして
お腹を大きく見せてね
周りの人を騙して
いかにも、その奥さんが出産したみたいに
偽造したってこともあるらしいよ」

「えぇ!
恵美里…凄い話し知ってるね…」

「あぁ…
これは、昼ドラでやってたやつ…」

「……」


智可の目が険しくなる…


「恵美里…
ちょっと、黙っててくれる?」

「ははは…ごめん…」