そして俺らは走り出す



俺はまとめて4人分を頼み、お金を払うと
(当然健と梨沙の分は後から回収した)
4人分のクレープを受け取って、皆のところへ戻った。


「ほい、これバナナチョコ」


誰?とは聞かなかったが俺は梨沙だと思った。



「ども」

だが、予想に反して手を上げたのは健だった。


どうやら健、そうとうな甘党らしい。


「…………」


俺は無言で手渡す。


となるろ、この抹茶小豆は……。


「あ、それあたしのねー」


当然梨沙のだった。
意外に和風好みらしい。


最後に桜音のチョコカスタードを渡す。


「ごめんね? 紘嵩君」


申し訳なさそうに言う桜音。

「別に謝んなって。

悪いことしてるわけじゃないんだし」


俺がそういうと桜音はちょっと考えるようにして

「ありがとう」

と笑顔で言った。



ったく…ホント可愛いな、こいつ。

桜音は手に持ってるクレープをじっと見つめて

パクリ

と一口頬張った。