そして俺らは走り出す




「あの、そんな変な人を見るような目で見るの、ヤメテクレマセン?」


何故か梨沙が思いっきり顔をしかめてこっちを見ていた。



いや、自分のせいなのだけれど。




「だってさぁ今日の紘、突然意味フなこと言ってくんだもーん。

そーゆー目で見たくもなるよぉ」


それぐらいは自覚あるが一番意味フなのはお前の言動だ。

ついでに語尾を伸ばすな。


前も思ったが、お前がやっても可愛くも何ともない。



「まぁまぁ。

じゃあ早速クレープ食べに行こうか!」



健が何ともいえない爽やかな笑顔で言う。


こいつ、もとを正せば自分が遅刻してきたせいだというのを棚に上げて…。



「ん?」

「…………」


そんな健。


悪魔のような笑みだった。