そして俺らは走り出す

「やっほー!

2人とも早いじゃんっ」


「わ、わたしは別に…
さっき来たとこだからっ

でも、紘嵩君は来るの早かったよ!」





「ふーん」




……え。






あれ?






今なんか…





冷たく…なかったか?




桜音も梨沙のそんな様子にすぐ気付いたようで。




「り、梨沙ちゃん…?」

と、戸惑っていた。


一体なんだ…?


と、思いながらも俺は桜音の言う事にフォローを加える。


「ん、桜音さっき来たトコなんだよ、本当に。


俺は10分ぐらい前から待ってたけど」



「へー! そうなんだっ」



あれ…。

いつもと同じ…だよな?


気のせいか?


桜音を見ると、桜音もいつもと変わらない梨沙の様子にホッとしている。


なんだ
ただの思い違い、か。