「な、なな、なんなん…」


「まぁ、桜音が話したこと無いのに俺のことを知ってたみたいに
俺らもお前のことをそれ位には知ってるってことだ」



最も、俺と違って桜音のことはそれぐらいしか知られてないのだが。

俺なんかテストの結果とかまで知られてたからな。
大体だけど。



「ほっ他は!?
他は他は、なんかわたしのこと言ってた!!?」


なんか、すげー慌てぶりなんだけど。


「いや、そんぐらいだよ」

と、返すと
明らかに桜音はホッとしていた。


まさか男バスに好きな奴でも居るとか?







…………。

それは無いか。


大体、健であんな反応なんだし。


自分のありえない思考を止めると、目の前の桜音に目をやる。



「そーだ。

桜音、こんどの土曜暇か?」


俺のいきなりの言葉にえっ?と首を傾げるが少し考えた後


「うん、多分空いてると思うけど…」


何で?の言葉が発せられる前に、俺は考えていたことを話す。


「土曜日に、今日のやり直しやろーぜ。

クレープ奢るし」


「えっ……」


「嫌か?」


俺の言葉に勢いよく首をぶんぶんと横に振ると


「ほんと!?
スッゴク嬉しい!!」


と、返ってきた。


その笑顔は今日見た笑顔のどれよりも綺麗で。



思わず見とれてしまう。