咄嗟に俺は桜音を支える。
「おいっ大丈夫か!?」
目の前の桜音の顔は真っ青。
こいつ…ずっと無理してたのか!!
とりあえず俺は周りを見渡し、どこかに休めそうなところは無いか探した。
すると、運よく20mほど先に誰も座っていないベンチを見つける。
「桜音、あそこまで歩けそうか?」
そう聞いてみたものの、桜音は一向に答える気配は無い。
しょうがねぇ、か。
「わりぃけどコレは不可抗力、ってことで。
よっと…」
一応桜音に言い聞かせるようにしてから、俺はそっと桜音を持ち上げる。
あのときと、同じように……
うわっ軽……。
こいつ本当に食ってんのかよ?
そう思ってしまうほど、桜音の体は軽くて。
前から細いとは思ってたけど、ここまでとは思ってなかった。
まるで……そう。
天使の羽でも
生えてるかのように。

