「ありがとう、紘嵩君」


ゆっくり紡がれた言葉。


その言葉に俺は返事をしなかった。


ただ微笑んで、桜音を見つめた。






が……


「うおっ!?


おいっ桜音!!?」



その顔も五秒と続かなかった。


目の前の桜音がいきなり倒れかけたので。