「……変わろうと、思ったの」


やがてポツリと聞こえた声。



「わたし、男子と話すのが苦手で…


それでいつも友達に、代わりに話してもらってたの。


でも、この間…
手紙で呼び出された時。


そのときもその友達についてきてもらって、代わりにいろいろ、話してもらったの。


でも、その相手はそれが気に入らなかったみたいで…


友達に、手を上げたの」


友達に。

自分じゃなく、友達に。


自分が男嫌いじゃなければ。


一体こいつはどれほど後悔したのだろう…。


「それから、怖い気持ちも大きくなったけど…でも、このままじゃダメだって思って。

まずは部活の練習試合から、頑張ってみようと思ったんだ」

そのときを思い出すかのように…桜音はとても辛そうな顔をしていた。