「えっと…大丈夫?」
そう遠慮がちに聞いてきた桜音。
「おー…。
なんか俺がバカに思えただけだから」
軽く凹んだままでそう返すと、桜音は怪訝な表情で俺の顔を見る。
「何言ってんの?
紘嵩君、十分頭いいじゃん。
学年トップ10から落ちたこと無いって、有名だよ?」
俺の知らないところで俺が有名になっていた。
「カッコよくて頭もよくて運動神経もいいすッごい人。
みんなそう言ってるよ?」
まぁ、ある程度の自覚はあったけど…
それぐらいすごかったのか……。
よく「紘は自分の人気自覚してない」って言われたけど、ここへ来てやっと本当に意味がわかった気がした。

