今日はマリと一緒のバイトの日。

いつものようにバイトの時間までファミレスで時間を潰す。

「潤は彼氏いないの?」

マリのいきなりの質問。

私は今まで彼氏どころか人を好きになったことすらない。

「え~、いないよ。
 欲しいけど、彼氏がいる自分が想像つかない。
 マリは?」

「私も欲しいけど、部活とバイトで
 いっぱいいっぱいかも。」

「でもマリは告られたりするでしょ?
 カフェでもかなり人気あるらしいよ!
 向井さんが言ってた。
 マリに彼氏がいないことがみんなに知れたら
 大変なことになるかも!!」

「いやー、それは無いっしょ。
 そんな事言ったら、潤だって人気あんだよ!
 目が大きくて、笑うとかわいいって。」

「笑うとって何?限定??
 それ以外はなんなのさ!」

「あはは。
 潤の笑顔は貴重だからじゃない?
 心開かないと笑わないし。
 私だって最初は嫌われてんのかと思ったよ。」

「やっぱり!??
 何か慣れないと、話すときに顔がひきつんだよね。
 自分でも、あっ、今の顔やばい!って分かる。」

「私とも仲良くなったんだし、大丈夫だよ!
 あっ、そろそろ時間だし行こうか。」

「あー、バイトめんどくさい!!
 マリともっとしゃべっていたい!!」

「今日は向井さんもいないしね。」

「何で向井さん?」

私には何でマリが向井さんの名前を出したのか分からなかった。

だから、ニヤニヤしてるマリの顔を不思議そうに見上げた。

「別に~。
 ただ潤は向井さんがいると楽しそうだか
 ら。
 向井さんモテるらしいからガンバんな!」

「何を??」