「何々、君も花とか置きにきたとか?」

 お喋りが好きな人だと思う、くっちゃべってる。
 私は別に話す気になんてなれない、貴方もきっと私を軽蔑するのだから。こんな所に来るってことは誰かが……?

 ふと思ったけど私は知らん顔をする。

「俺、悠樹! お前名前は?」
「は……? 初対面の人に何聞いてんの」
「だから今から初対面じゃなくて友達になるんじゃん?」

 自己中心的。過剰が凄い、私と友達になる? そんなの無理にきまってるでしょ、私は誰からも好かれていないんだから。

 友達なんて……――。

「ごめん、迷惑だったよな、まいいや」

 行き成り悲しい顔をするその男の子。
 なんで、なんで私の名前を聞こうとするの。こんな名前嫌いでしょうがないのに。
 彼が帰ろうと後ろを振り向く。

 私はいつの間にか彼の裾を引っ張っていた。

「遊奈」

 そう言って私は俯いた。名前が変だっていう、絶対に。
 私の名前の由来は両親ともに遊び人。そこでつけた名前に「遊び」が入ってる。だから当然私も遊び人だと勘違いされる。

「いい名前、聞いたことないし、かわいい」
「なっ……! 何言ってるの、こんな名前うざったいよ……」

 悠樹は笑顔で笑ってみせる、そんな笑顔私にはできない……。

「どこの高校? 遊びいくから」
「引っ越すの、此処嫌いだもん。●●高校だけど……」

「俺と同じじゃん!」

 そう彼が満開に笑う、それに私は少し頬を赤くした。





――これが彼とであった最高の一日。