花かがり 【短編集】

― ハァ…

大きなため息を吐いて、芝生に寝転がった。

綺麗な青空。
スカイブルーとも言える色。

雲の形が毎日変わるのと同じように、空の色も毎日違う。



大きくて広い青空を眺めていると、自分がちっぽけな人間に見えた。


― 僕は、まだまだだな ―

そう思ったら、自分のちっぽけさに笑いがこぼれる。



柔らかい陽射しが、心地好い。

急に眠気が襲う。






いつの間にか、居眠りをしてたらしい。


そろそろ起き上がろうと目を開ける。
が、しかし視界は暗く
あれ…。
少しじゃなく、いつの間にか熟睡して夜になったのか?

… 僕としたコトが …

などと考えていた、その時だった。


「すいません…」
どこからともなく、女性の声がする。

そして、芝生を踏みつける足音がこちらに近づく。


… なんだ、一体。僕に言ったのか? …

状況がいまいち、把握出来なかった。