花かがり 【短編集】

おーーいっ。

シュウゥー!

ユナァー!




遠くで、先生や生徒達の声が聞こえた。



「なんだよ…」
シュウがジャマ臭そうに、呟いた。



やっと私達は、みんなに見つけ出され無事に生還出来たのだ。




「良かったね。生きてて」

「バァーカ!」

「シュウ、ひどぉーい」

「別に…」
と言いながらも、シュウはしっかりユナの手を握り締めていた。



「シュウ…大スキ…」

「バァーカ…」
と言ったシュウの顔が、真っ赤になっていた。
そして小声で「俺も…」とユナに囁いた。


今度は、ユナが赤くなる番だった…。







肝だめし。

それは…

この世で一番、怖~い怖~い、
『恋のキューピッド』
なのかもしれない…