花かがり 【短編集】

「ずっとユナのコト、ホントはスキだった…」
ユナを抱き締めながら耳元で囁く、シュウ。


「ウソ…」
ユナが驚いて、シュウの顔を見た。

月明かりで照らされた二人は、はっきり互いの顔を確認したとたん、急に恥ずかしくなってうつむいた。


シュウがまた、ユナを抱き締める。
そして「ウソ…」と囁いた。


「ウソ…?」
シュウの言葉にガッカリする、ユナ。


「ウソ…だよ…」
シュウはまた、ユナにキスをした。


今度はお互いの顔を見ても、照れなかった…