桜の木の下で




メールを開いてみると、案の定全てお兄ちゃんだった。



『大丈夫か?』
『風邪引いてないか?』
『何かされてないか?』



…同じような内容が52通も来ていた。



「…ま、マジですか」



「し、心配性のお兄さんだね」



「何かされてないかって……」



どんな心配ですか。



ぱたん、と携帯を閉じた。



「返事、しなくていいの?」



先輩が苦笑している。



「いいんですよ、別に」



たまにはお兄ちゃんのいない生活がしたいので!



そうわたしが言うと、先輩は笑った。