やっと先輩が離してくれた。 「棚にココアあるから、飲んでもいいよ」 「あ、は、はい…」 そう言うと先輩は、洗面所に入っていった。 「うわぁ…」 へたっと力なく床に座る。 先輩にぎゅってされると、息が出来なくなる。 …というか、付き合ってもいないのに、なんであんなことしてくるのだろう。 …甘えん坊だから?誰にでもぎゅってしてそう。 わたしに好意を持ってくれているわけはないんだから。 きっとそうだよ、ね。