「おい、優希」



「はい?」



部室の掃除をしていたら、お兄ちゃんが入ってきた。



「大丈夫か…?」



とても心配そうな目をしている。



「これくらいでへこたれませんよっ!」



どんだけシスコンなの、と言いそうになったけど、心配してくれてるらしいので言わなかった。



「…てか練習は?」



「今休憩時間」



「ふぅーん」



お兄ちゃんを気にせずに、わたしは掃除を続けた。お兄ちゃんはずっとわたしを見ていた。